インプラント治療前に必要なこと
インプラントは切開を伴う手術を行いますので、必ず治療前に検査を必要とします。歯科医院によって検査の方法は様々です。手術の成功率を高めてリスクを最小限にするためには入念な検査が必要不可欠です。
事前の検査で様々な角度からより正確な診断を行う必要があります。今回は事前に必要な検査の内容や、検査にかかる費用などについてご紹介させていただきます。
血液検査
インプラント治療は歯茎を切って、あごの骨にインプラントを埋め入れる外科手術が必要です。全身の健康状態に左右されます。たとえば、中程度の糖尿病の方は傷の治癒が遅れる傾向があるため、骨とインプラントがうまく結合しないことがあります。
また出血を伴う処置になりますので、血が止まりにくいことは無いか、外科手術を受けることができる体調であるかなど、問題点を事前に把握することに役立ちます。主に白血球数・赤血球数・ヘモグロビン・血小板数・血液中のタンパク質・脂質・糖質・酵素などの成分を調べます。その結果、肝疾患・心臓疾患・糖尿病・高脂血症・動脈硬化症などの疾患がわかります。
これにより全身の状態を知り、インプラント治療が可能かどうか判断します。患者様の年齢や、問診の内容、外科手術の範囲によっては血液検査をしないこともあります。また提携している内科や、ご自身で他の医療機関での血液検査結果を使用することも可能です。
…費用例 7,000~10,500円
口腔内検査
歯ぐきの状態や、咬み合わせの診査をして、インプラントの適切なサイズや埋め込む位置を検討します。歯周病や虫歯、咬み合わせの問題などが残っていれば、インプラント治療を始める前に必要な治療も治療計画に含める必要が出てきます。
また口腔内に虫歯菌や歯周病菌があるかどうかも確認します。どんなによりインプラント治療を行っても、口腔内に虫歯や歯周病が残っていると早期にインプラントが脱落する要因にもなります。
…費用例 1,500~5,000円
レントゲン検査
顎の骨の状態をレントゲンで確認します。インプラントの埋入には、顎の骨に十分な高さと厚みが必要です。顎の骨と歯の平面的な形状を確認します。レントゲン撮影には、鼻から下あごまでのおおまかな平面の全体像を把握することができる「パノラマ」と、2~3歯とその周囲組織の平面像を詳しく確認することができる「デンタル」、お口全体のを立体画像であらゆる角度から確認することができる「CT」の3種類があります。
「パノラマ」や「デンタル」は、骨の状態を二次元的にしか把握できないことが多く、現在のインプラント治療では、「パノラマ」か「デンタル」のどちらかを撮影した後に、「CT」を撮って精密な診査・診断を行うことが一般的です。しかし、お口の状態や歯科医師と患者様の話し合いにより、これらすべてのレントゲンが必要となる場合もあります。
「CT」とはコンピュータ断層撮影(computer tomography)の略で、多方面からX線とコンピュータを使って顎の骨や神経の位置関係を3次元的に割り出します。三次元の高画質画像でパノラマやデンタルでは判別できない、痛みや症状の原因の究明も可能です。安全で安心のインプラント治療を希望する場合は、CT検査が受けられる設備の整った歯科医院を選ぶことが大切です。
…費用例 5,000~30,000円
~まとめ~
上記のような検査の結果をもとに、治療計画を立てます。「検査」と聞くと身構えてしまう方も多いかもしれません。ですが折角行った手術が失敗してしまうことや、自分のイメージにあわないことを考えたらやはりきちんと検査を受けておくべきです。安心して治療に専念する為にも、検査をしっかりと受け、不安を解消しておくことが大切です。