目次
インプラントの専門用語
インプラント治療の相談や説明を受ける際、難しい用語などが出てきてわからないことがありませんか?歯科医師はできるだけ患者様にわかりやすく説明しようと心掛けていますが、うっかり専門用語を使ってしまっていることも少なくありません。治療内容をよく理解するために、特にインプラント治療でよく使われる「覚えておくとよい専門用語」についてご紹介します。
形状や原理原則
アパタイト
国産のインプラントの表面にも使用されるアパタイト。ハイドロキシアパタイトはHAとも言われるリン酸塩鉱物の一種。歯や骨の主要構成成分です。歯のエナメル質の95%以上、象牙質の70%がHA(ハイドロキシアパタイト)で構成されています。そのため、生体組織と親和性が高く、時間の経過に伴って骨と結合する性質があります。
人工歯根(フィクスチャー)
インプラント体のこと。主にチタン素材である。
アバットメント
2ピースインプラントの上の部分。インプラントは、上部構造(歯冠部分)とインプラント体(歯根部分)に分けられ、それらを連結させる部分をアバットメントと言う。上部構造をインプラントに固定するための支台である。支台部。
埋入
埋め込む事。インプラントにおいて、骨にインプラント体を埋め込むこと。
インテグレーテッド
スウェーデンのアストラッテック株式会社で開発された2ピースタイプのインプラントフィクスチャー(インプラント体)。アバットメントを連結する際に、円錐状のアバットメントの下底部がインプラント体内部で強固に連結。2回法にも対応。接合部のネジ部分が緩みにくいと定評がある。
オッセオインテグレーション
スウェーデンのブローネマルク教授の開発したインプラント技術のこと。 骨とチタンがくっつくことを指す。ノーベルバイオケア社の販売するインプラントにブローネマルクの名がついている。
術式系
イニシャルプレパレーション
初期治療のこと。初期治療のこと。初期治療とは病気の原因を排除して、症状をある程度まで改善し、その後の治療効果を高めるための手順のこと。
一次手術
インプラントのフィクスチャー埋入手術のこと。2回法(2ピースタイプ)でのインプラント手術の1回目の手術の「フィクスチャー埋入」のことを指す。上の部分(被せ物の支台部)のことを「アバットメント」と言う。
一回法
主に1ピースタイプのインプラント手術で言われることの多い1回法。インプラントフィクスチャー部は骨に埋まるが、インプラントの頭の部分(アバットメント部分)が埋入した時からとび出した形状になる。その後、骨とインプラントが定着したらその上に型を取り、被せ物を作成する。1ピースインプラントはフィクスチャーとアバットメントが一体構造なので、埋入手術は基本的に1回となる。
サイナスリフト
人工歯根であるインプラントの挿入スペースを確保するために、顎の骨量を増やす骨増成手術。上顎洞粘膜(シュナイダー膜)を上顎洞から剥離して挙上し、そこで出来た空間に人工骨や他部位から採取した自家骨を移植する事にで、上顎洞底線の位置をあげ、インプラント埋入手術に必要な骨の厚みを作る治療方法です。
GBR(骨再生誘導療法)
Guided Bone Regenerationの略でGBR(骨誘導再生)法とは、欠損した歯槽骨や顎骨などの骨組織の再生を促す治療方法です。インプラントを埋め入れるために十分な骨の量がない場合などに利用されます。
ソケットリフト
ソケット・リフトは、サイナス・リフトと同様に上顎に適用される造骨法です。ソケットリフトとサイナスリフトの違いはサイナスリフト は、骨の厚みが 5mmより少ないとき や、 多数の歯が欠損しているとき に行い、歯が生えていた部分の側面の歯ぐきから 施術するのに対して、ソケットリフトでは通常のインプラント治療をするには骨が足りないものの、シュナイダー膜までの骨の高さが5mm以上ある場合に適用できます。またサイナスリフトと比較すると、傷口が小さいため処置時間が短くなり痛みや腫れもより少ないとされています。
GBR(骨再生誘導療法)
Guided Bone Regenerationの略でGBR(骨誘導再生)法とは、欠損した歯槽骨や顎骨などの骨組織の再生を促す治療方法です。インプラントを埋め入れるために十分な骨の量がない場合などに利用されます。
抜歯即時埋入
抜歯と同時に抜歯窩にインプラントを埋入すること。Immediate implant placement
フラップレス手術
歯肉を切開しない、切らない(メスを使わない)インプラント治療。無切開無痛手術。最小限の切開の場合にはセミフラップとも言う。
リッジ・エキスパンション
歯槽骨の幅が充分でない場合、幅を広げてインプラントを埋入させる治療法の事。
メンブレン
歯槽骨造成に使用する膜のこと。軟組織が骨再生部位に迷入しないように、メンブレンでバリアし、スペースを作ることにより骨が造成されます。
設備系
CTスキャン
パノラマレントゲンに比べ、三次元のデータ処理を行って解析したレントゲンの撮影が出来、解像度等で非常に優れているので、より正確に精密な診断・治療が可能です。その分費用は高額となります。
パノラマ
レントゲン種類の一つ。顎の骨、歯、歯列、鼻腔、上顎洞、顎関節部などの全体の騒総覧(パノラマ)像を、2次元画像(平面)で詳しく確認することができる。
デンタル
レントゲンの種類の一つ。2~3歯とその周囲組織を2次元画像(平面)で詳しく確認することができる。
インプラントメーカー系
アストラテックインプラント
スウェーデンのアストラッテック株式会社で開発された2ピースタイプのインプラントフィクスチャー(インプラント体)。アバットメントを連結する際に、円錐状のアバットメントの下底部がインプラント体内部で強固に連結。2回法にも対応。接合部のネジ部分が緩みにくいと定評がある。
ノーベルバイオケア
ブローネマルクシステム、リプレイスセレクト、ノーベルダイレクト、プロセラシステム等インプラントシステムのメーカー。歯科インプラントにおいて、世界の35%のシェアと40年以上の歴史があるインプラントシステムのパイオニア。
SLA(sand-blasted,large grit,acid-etched)
ストローマン・インプラントの粗造表面の名称のことです。ブローネマルク・システムの表面性状が機械研磨のみであった1990年代に、ストローマン・インプラントはSLAと呼ばれる優れた表面性状を持ち、成功率が高く、術式が容易であったため、シェアを伸ばしました。2007年時点では、ほとんどのインプラントの表面性状が粗造表面になっています。